下田らしやめん

通商談判の為め、伊豆下田に来航した米国派遣のタウンゼンド、ハリスは、安政三年七月二十一日に上陸し、柿崎の玉泉寺に入つて、日本最初の領事館を開設したのである。当時ハリスと通訳兼秘書であつたヘンリー・ヒュースケンとは、下田芸者であるお吉と、経師屋の娘であつたお福との二人(其後ヒユースケンは下田特有の職業婦人であるお小夜を雇った。)を、各ゝ小間遣の名義の下に、侍妾として雇ひ入れた。