港崎の春を向えし蝶小蝶、千箱の玉を舞遊ぶ、其羽遣ひの品定め、詠し花の妹脊鳥、めおと枝いゝかわし、御げむと書た結び文、契りはきのふけふはまた、鶴と龜との寿を、かわすも高き岩亀楼、蝶は翅を袖にしめ、舞てたわれつ、たをやめの、姿たは風にまぼろしや、とけてぞ結ぶ絲柳、薫る翅ぞ雲にきえ、声は何処に聞ゆなり。君は千代ませ八千代ませ、なを色ませや万歳楽、千箱の玉章奉る、是ぞ久しき貢なりける。

七十三童 あし 園戯述