参考解説

以上の他、類似的な語原二三を拾つて見ると、当時もぐりであつた休憩所の売笑婦は、秘密に属する曖昧屋であつた。更に方言的に云へば、チャランプランヤ(明治中期頃から、横浜名物となつた邦人相手の私娼窟、即ち銘酒屋が出来て、これを曖昧屋と呼んで居た。)であつた。之が転化したものと説かれ、則ち約してちやぶやとなり、新出の営業銘酒屋の代名詞となつた。又、外国人酒場としての設備上、従来の縄暖簾式のお膳と腰掛とは、卓と椅子とに改められ、食卓であるチャブ台から起囚した称呼であると云ふが、果してチャブ台なる名称が開港前から存在して居たかどうか、考ふべき事である。或は茶屋と言ふ称呼と子供等の通言である「お湯」の「ぶ」とを繋いでちやぶやとなつたものと説くのは、あまりに穿ち過ぎたものである。更にチョップは、其訳語の意味が肉片、又は切身と云ふ事から、人肉の切売りに通はせたと説くものもある。等々記して参考の資とする。